基調講演

前田 陽一郎 先生
(立命館大学 情報理工学部 情報理工学科 知能情報コース 教授/日本知能情報ファジィ学会会長 )

講演題目:人間知能と人工知能の共存を目指して 〜人間共生システム研究〜

 近年、コンピュータ、人工エージェント、知能ロボットが人間と同じ社会で共存する時代になりつつあり、人間とのスムーズな対話など高度な対人親和性がエージェントやロボット開発に求められている。このような問題を扱う「人間共生システム研究」は学会横断的に広がりを見せている。本学会においても、2007年に人間共生システム(HSS)研究部会が設立された。本研究部会では、人間と共生・共存できるシステムの実現に必要な要素技術の確立を中心課題とし、人間とロボット、人間とシステムなどの双方向インタラティブ・コミュニケーションにおける相互作用の解析および親和性の向上を目指している。
 本講演では、まず初めにHSS研究部会の活動実績と主要メンバーの最新研究について簡単に紹介する。さらに筆者らの研究室におけるこれまでの人間共生システム関連の研究をいくつかピックアップして概説する。最後に、人間知能(Human Intelligence)と人工知能(Artificial Intelligence)の共存を目指した人間共生システムの将来像について考察し、人とロボットの共生社会における課題について言及する。