招待講演
福島 邦彦 先生
題目:視覚情報処理と神経回路
概要:神経系における視覚情報処理や学習の機構を,「ぼかし」と「競合」 という観点から眺めてみる.パターン認識能力を持つ神経回路モデル 「ネオコグニトロン」を例に,「ぼかし」や「競合」がどのように 利用されているかを論じる.ネオコグニトロンのC細胞による 位置ずれ許容操作,特徴抽出細胞(S細胞)の競合学習と2重しきい値なども, このような観点から眺めると統一的に解釈できる.また,競合学習の 新しい方式として筆者が最近提唱した winner-kill-loser 型学習 について述べる.さらに,ぼかしを利用した情報処理の応用例として, 遮蔽された輪郭を修復する神経回路モデルを簡単に紹介する.
我妻 広明 先生(九工大)
題目:動的な非平衡・非線形系として脳、身体、環境をシステムとして捉える
〜脳型ロボット研究の取り組み〜
山口 暢彦 先生(佐賀大)
題目:時系列データの状態変化の可視化
〜日本の景気と佐賀の気候を可視化してみる〜
概要:多くの時系列データにおいて,その振る舞いが時間的に大きく変化したように 見える期間が存在する.例えば,大卒就職率や残業時間などは景気の動向に依存して 変動する時系列データとなり,株価や為替相場などは金融危機によりその振る舞いが 大きく変化する.本講演では,この様な時間的に振る舞い(状態)が変化する時系列データに対し, その状態変化を可視化する研究について紹介を行う.紹介手法を用いることにより,時間経過に ともなう状態の変化が2次元平面上に軌跡として描かれることとなり,時系列データが生成される 環境を視覚的に理解することが可能となる.また,本講演では応用例として,日本の景気と 佐賀の気候について可視化を行い,景気と気候というものがどのように時間的に変化していくのかを 視覚的に紹介する.