基調講演

大竹 博 先生
(九州工業大学 大学院情報工学研究院 知的システム工学研究系 准教授 )

講演題目:青空高く羽ばたく鳥型ロボットの開発を目指して

 近年,ドローンに代表される飛行ロボットに関する研究・開発が 世界的に活発に行われているが,飛行性能に関しては我々が普段から目 にする鳥類の方が勝る面が多々ある.鳥は羽ばたき運動によって推力と 揚力を同時に生み出している.また,翼を広げて滑空することでエネル ギ消費を抑えた高効率な飛行を行う.渡り鳥は上昇気流と滑空飛行を組 み合わせて長距離飛行を実現している.スズメなどの小型の鳥はホバリ ング飛行を行ったり,壁面に沿ってほぼ垂直に上昇することができる. 飛行能力以外にも,翼を折り畳むことでコンパクトになったり,枝や電 線にとまることができる.鳥の飛び立ちや着陸には長い滑走路は必要な い.このような鳥類の特性をロボットで実現し検証することで,既存の 航空機のさらなる進化や新たな羽ばたき航空機の創造を目指している.
 本講演では,これまでに私の研究室で開発した鳥型ロボットについて, 羽ばたき飛行に成功している事例や,脚による飛び立ち(離陸),脚に よる樹枝の把持(着陸)など,さまざまな鳥型ロボットに関する研究事 例を紹介する.