SSII08 2008年8月5日(火)~6日(水)
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講習会 其の1
大西 圭 先生 (九州工業大学大学院情報工学研究院電子情報工学研究系 准教授)

P2Pネットワーク上の柔軟な情報処理
  Peer-to-Peer(P2P)ネットワークは,パソコン等の情報通信端末(ノード)が直接 通信により互いにサービスを提供し合うネットワークである.P2Pネットワーク を構成するノードは,一般に通信だけでなく高度な情報処理を行うことも可能で あるため,P2Pネットワークは,ネットワーキングとコンピューティングが融合 したシステムと捉えることができる. 本講演では,ソフトコンピューティングの方法をP2Pネットワークの制御と応用 に適用する研究について紹介する.具体的には,講演者はこれまで,(1)自然界 に着想を得た情報処理の方法をP2Pネットワークの制御に適用する研究,(2)人 の感性情報を利用したP2Pネットワーク上の情報検索に関する研究,を行ってお り,これらの研究について紹介する.
略歴
2003年九州芸術工科大学にて学位取得.イリノイ大学ポスドク研究員1年,九州 工業大学産官学連携研究員3年,北九州市のヒューマンメディア財団研究員半年 を経て,現在,九州工業大学の教員.現在,P2Pネットワーク等の論理ネットワ ークと柔軟な情報処理との融合に関する研究を行っている.
講習会 其の2
久保田 良輔 先生 (宇部工業高等専門学校制御情報工学科 助教)

自己組織化マップを用いた遺伝的アルゴリズムの選択・淘汰法
自己組織化マップは,教師信号なしで学習を行うニューラルネットワークのひとつであり, 提示される入力データ集合の分布を近似するという特長をもつ.この特長を利用して種々の パターン認識・識別や量子化アルゴリズムなどに応用されている.また,バイナリデータ集合の 分布を近似する自己組織化マップなどもこれまでに提案されており,その応用の幅は広い. 一方,遺伝的アルゴリズムは,多様な個体集団に基づく最適解探索法であるが, 選択・淘汰の方法によってはその多様性が減少し,探索効率が悪化するという問題がある. 本講演では,まず一般的な自己組織化マップについて説明し, その応用として 遺伝的アルゴリズムの選択・淘汰法への適用例について紹介する.
略歴
平12 九州工業大・情報工・制御システム工(現 システム創成情報工)卒. 平18 九州工業大学大学院情報工学研究科博士後期課程修了.博士(情報工学). 平18.4より山口大学大学院理工学研究科文部科学省知的クラスター創成事業 “やまぐち・うべメディカルイノベーションクラスター”研究員. 平20 宇部工業高等専門学校制御情報工学科助教.自己組織化マップと進化的計算法の融合, ソフトコンピューティング手法の 工学的応用に関する研究に従事. 日本知能情報ファジィ学会,電子情報通信学会各会員.
講習会 其の3
楊 世淵 先生(九州工業大学大学院工学研究院電気電子工学研究系 助教)

ディジタルホログラフィにおけるスペックル問題とその解決法
ディジタルホログラフィは光波面記録・再生の技術で、様々な分野で応用されてい る。例えば、ホログラフィックメモリやレーザービーム整形などに、ディジタルホロ グラムが用いられている。ディジタルホログラムの作成方法はいくつかが提案されて いるが、キノフォームと呼ばれる位相型ホログラムは、光の利用効率が高く、また記 録媒体における情報量の冗長が少ない利点を持ち、近年注目を集めている。キノ フォームを用いて光波面の光強度を再生する際に、スペックルと呼ばれる黒い斑点が 発生する。この問題はキノフォームの応用を妨げ、長年有効な解決法は見つからな かった。本講演は、フーリエ変換型キノフォームを取り上げ、スペックルの発生及び 除去法を紹介する。
略歴
平成5年九州工業大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得満期退学後、同大工学部助手・助教、現在に至る。主な研究分野は、ディジタルホログラフィ、波面計測における位相回復。
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